Another Time Another Place

Another Time Another Place

アーティスト
Kevin Mahogany
パブリッシャー
Warner Bros / Wea
価格: ¥903

Another Time Another Placeのレビュー

絶滅危惧種:頑張ってほしいが、上手くはない。
 今、ヒップホップ系以外の音の黒人ボーカリストというのは、音楽産業には見向きもされない時代です。かつてスター黒人歌手が沢山いたジャズ黄金期の状況とは全く対照的に、黒人ジャズ・シンガーで国民的スターというのはいなくなってしまった訳ですが、何かこういうところに米国音楽産業の抱えている問題を幾つか感じますね。そういう意味で、メジャー・レーヴェルで活動しているだけで、この人は絶滅危惧種としての存在意義があると思います。

 ただ、朴訥とした声と歌い方に温かみはあるんだけど、正直、上手いボーカリストではないんですね。特にスキャットは下手糞なので、やらないほうが良いと思います。リスナーによって評価が分かれる歌手ですね。

 選曲のセンスは良くて、パット・メセニーやチャーリー・パーカーのナンバーも歌ってます。近所の優しい叔父さんが歌ってるみたいな感じの人なので、スローな曲に味わいがありますね。本当は3.5点をつけたい。
正統派男性ジャズ・ヴォーカリスト
ヴォーカルというパードほど、個人の趣味の違いが出るものは他にないと思います。上手いと思うけど好きじゃないとか。ケビン・マホガニーのボーカルスタイルは自然で、人間味がある。どこにもムリがない。時として正確すぎるピッチや完全過ぎて非の打ち所がなく、なんだか逆にほっとできない歌手もいますが、ケビンのヴォーカルは原曲の持つ魅力を壊さず、自然に歌うことで曲のイメージをふくらませてる感じです。当アルバムでは4曲目の”グッバイ・ポークパイ・ハット”と7曲目の”インザウィースモールアワー”がお勧めです。